ボクがキミのおとうさん。
それからしばらく、ボクたちは友達で居続けた。


近付き過ぎる事も、離れ過ぎることもなく。


そうしていれば、いつか「好き」な気持ちは小さくなって行くと思ったのに、どんどん大きくなっちゃったんだ。


その気持ちはもう止められなくて、口から「好き」がこぼれちゃったんだ。


そしたらキミのお母さんは何て言ったと思う?


「待ちくたびれたよ」だって。


不思議だね。ボクと同じ気持ちだったんだ。


嬉しかったよ。たくさん笑っちゃった。


それは六年前、温かくなり始めた四月の出来事。


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