ボクがキミのおとうさん。
その翌月、五月にボクの中でとても大きな出来事があったんだ。


お母さんのお腹に、小さな命が宿ったんだ。


そう、キミの事だよ。


でも、お母さんは悲しい顔をしていたよ。その時、もう五ヶ月もキミはお母さんのお腹の中に居たんだ。


その意味はボクにもすぐに解ったよ。


ごめんね。その時ボクは迷ったんだ。


でも、キミに出会えない事の方が恐かったんだろうね。


「一緒に育てよう」って言ったんだ。


そしたらね、キミのお母さん、とても優しい顔をして泣いていたよ。


これはボクがまだ高校三年生の時の出来事。


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