ボクがキミのおとうさん。
キミへの思い
季節は秋になって、あっと言う間にキミが産まれるまで後一ヶ月という頃。ボクたち二人は、大事な事を決めようとしていた。


キミの名前。


キミが生まれた時からずっと大事に持って生きて行くもの。


ボクはね、凄くカッコイイ名前、綺麗な名前を考えてたんだ。


でも、お母さんが考えてた名前にびっくりしたよ。


「男の子でも女の子でも"由"がいいな……」


大人になればわかるけど、凄く簡単な字なんだ。だからボクが


「それでいいの?」


って聞くと、キミのお母さんはこう言ったよ。


「"自由"の意味が解る人、辛い時には、生まれた"理由"を考えて乗り越えられる人になって欲しいの」


ボクはその時、お母さんがキミの事をどれだけ大切に思っているか、初めて知ったんだ。


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