指から滴る雫のあとは、君の涙
「あの皿の水は何?」




やっぱり気づいてた。




結ばれない愛だと思ったから…。




テーブルに運ぶ前に流してしまった。




他の奴なら気づかない。




だけど、俺は食器を汚さない癖があることを…。




胡桃は知っていた。




「あれ…鈴音の涙だよね。どうして?」

「…教えない」

「教えるって言った。」

「全部とはいってないよ?」



お前をおもって泣いてたなんて死んでも言わない。




「…鈴音。」

「何だよ……ん?」

「あんな顔、他の女の子に見せないで?」




俺の服の裾つかんで…訴えた。




だんたんとシワになる俺の服……。




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