指から滴る雫のあとは、君の涙
鈴音side




「お前には関係ないだろ」




胡桃は眉を八の字にして寝室に行ってしまった…。




「ごめん胡桃」




聞こえるはずのない声を胡桃の背中ごしに呟いていた。




メールはリサさんと、何時に来るとか夕食は準備した方がいいとか。




別に無視していい内容だけどリサさんは昔からどこか怖いところあった。




ほしいものがあると絶対に手に入れるリサさんは手段を選ばないことが多かった。




小さい頃俺はそんなリサさんを見てかあまり偉そうな態度はとれない。




胡桃は知らないだろうけどリサさんは中学のとき歌手を目指していて無事合格したが、それはオーディションを受ける人のマイクに細工をして上手く歌えなくしていたからで…だから合格したと俺は聞いたとがある。





リサさんを憧れとしている胡桃をリサさんは知っているのか「このことは秘密よ?」っと口止めされた。




胡桃としては永遠の憧れであるのだから、これは今でも守っている。




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