指から滴る雫のあとは、君の涙
あれっ……ケータイ…




さっき握ってはずのケータイが海斗の手の中にあった。




「返してよ、従わないなら蹴るよ?」

「ふーん」



余裕で私を見下ろしてくる。

ムカツク〜。




「うっわ送信のところ鈴音ばっかじゃん!」

「ほっといてよ!」

「笑える!」




手が震えてケータイが落っこちそうになるところを阻止した。





鈴音loveだから鈴音にしか最近メールしないし…。




近くに居すぎてたまに「直接で良くないか?」と呆れられる…。




やっぱり私ってウザい女?




好きな人にはそうは思われたくないよ…。



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