指から滴る雫のあとは、君の涙
鈴音side




胡桃からせっかく誘ってくれたのに断らないといけなかった。




胡桃と一緒に帰りてえ…。




今日って夕食も一緒に食べれない。




「夕食も無理…」

「え…夕食も?」



夕食は食べると思ったのか、かなりショボンとする胡桃。



「そんなに俺と食べたいんだ?」

「俺がその間一緒にいるからな、胡桃?」

「お前は絶対来るな」




海斗が来るだけで俺のモヤモヤはリサさんの家まで持ち込みそうだ。




それに何するかわかんないしな。




海斗は絶対に要注意だな。




「そうなんだ…食べたかったのに」




あ――俺、胡桃と離れられないな。




あんな顔見ただけで罪悪感で満たされてしまう。




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