指から滴る雫のあとは、君の涙
「私のどこがイヤ?」

「別に――…」

「好きじゃなかったの?」

「うん」




背中から突き刺さる鈴音の本音…。




布団をギュッと握って涙が頬を伝う。




好きじゃないなら、初めから付き合わないでよ。




期待させないでよ。



ちょっとでも望みをかけた私がバカに見えてくる。




毎日毎日どうしたら鈴音が私を振り向いてくれるか作戦を美織と考えて…




あの日々もムダになる。




「今日からただの同居人だから」



部屋に切なく響く別れのあいさつ…



明日からどんな顔すればいい



私わかんないよ。



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