指から滴る雫のあとは、君の涙
鈴音side




胡桃がリサさんの家から飛び出して俺も追いかけようとしたとき。




「鈴音――…胡桃のこと大事でしょ?」

「はい」

「胡桃を守りたかったら付き合ってくれる?」

「は?どうしてですか?」




付き合う?




俺は仮にも胡桃とカップルだ……。




リサさんは口端を上げてこう言った。




「付き合ってくれないのなら、胡桃どうなるか知らないわよ?」




胡桃が……?




リサさんの考えることだきっと悪趣味に違いない。




「わかりました……」



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