指から滴る雫のあとは、君の涙
家に帰って胡桃の部屋に入ると胡桃は布団を被せて見えないようにしている…。




ごめん……




これで許されないけど……。



俺は心の中で何度も謝った。



胡桃の悲しい姿なんか見たくなかった…。




だから隣の部屋に居れば罪悪感が薄れると思った…。




「私のこと好きじゃなかったの?」

「うん……」





あんだけ酷いこと言ったから、隣の部屋まで声を押し殺して泣いてる声が聞こえた。




ただの同居人なんて言ったのも俺自信の気持ちを押し殺すため。




胡桃はそんなことわからなくていい……。




俺を憎んでくれればそれでいい。



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