指から滴る雫のあとは、君の涙
胡桃side




告白を断ったから鈴音のもとに向かう




「胡桃…」

「断ったよ?」




私の名前を呟いたあの時
鈴音は私に背を向けていた




好きな人の名前を言っているのかと思った




「鈴音…今日…あの」

「何?」




鈴音は絶対に一緒に帰りたい知ってるからわざと意地悪く聞く




「鈴音…意地悪しないでよ」

「胡桃のしたいことが、わかんないからだよ」




どんどんこっちに近づいて
両腕を捕まれる




「一緒に帰りたいの」

「誰と、一緒に帰りたいの?」




右上がる鈴音の口端




「鈴音と…んふ」

「ゃ…すず…ぁ」

「胡桃、負かすの面白いからな」

「面白いだけなの?」

「さあどうだと思う?」




ただそれだけだと思う
友達だから、一緒に居すぎたからこんなキスも




当然にできちゃう私たち




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