指から滴る雫のあとは、君の涙
ガムを噛んで、包み紙を美織に渡し、また新しいのを鈴音の分し持っていくことにした



「胡桃さ…なんか泣きたいことあったのか?」

「どうして…?」

「胡桃が泣きそうな顔するときはすごく辛いことだと思うから」

「…泣きそうなって」




不意に頭を撫でる鈴音を見上げてしまう




「泣くときはあるけど、昔、泣きそうなときは」

「…うん」

「…お前、覚えてないかもしれねえけど俺が殴った日、泣きはしないが、泣きそうな顔だった」

「…でも今日は泣きたいことなんか…」




喉がつかえて…無理




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