指から滴る雫のあとは、君の涙

ない…そういいたいのに




「無理すんな…」

「……鈴音のせいなんだから…うぅ」




何度胸を貸してもらったんだろう




昔はこうして悩みを共有しあった…




「だって…すず…ね、ﾝぅ
好きな人いるっていうから」

「いやなの？」

「だって…だって私たちこんなに…ひっく…ぅ、近くにいるのに」




恋愛対象から外れてるんだもん…




「……俺が好きな奴いるといや？」

「……決まってるよ、家族みたいなもんだから」




まだ頭を撫でて私を見下ろすそんな鈴音の顔は大人っぽい



「ね…え、ひっく…ん、鈴音、鈴音、」

「泣いてる顔…綺麗だから見せろ」




うつ向いてる私に言葉が降ってくる




ちょっと低めな声にドキっとして見上げると




ぽたぽた落ちる滴を拾ってくれてはその度に辛い目でみる



「……鈴音、やだやだ、休み時間とか、放課後とか、休みの日とか好きな人とあってるの？」

「……会いに行かないよ、胡桃が泣くなら」




やだよ…私だけを見てよ
潰れそうなの好きすぎて