指から滴る雫のあとは、君の涙
恋人になりたい、そんな私のわがままで鈴音の嫌いな写真に付き合わせた




私のカメラで写真に私たちをおさめる




「…鈴音逃げったって無断だから、逃げたらもう一枚とるから」

「こんの…S」

「じゃあ…好きな人連れてきて一緒にとってあげる」

「……胡桃、お前と取りたいから来い」




カメラを奪い取って、私を引き寄せシャッターを押した




写真ではいやそうな顔する鈴音が笑顔だったのが嬉しい




「……卒業したいよ」




恋人みたいなことできるなら卒業したい、幼なじみから




ただの幼なじみなら、私だって苦労しない




そんなので苦労しないだけど昔…から一緒にいるせいか




近所は…もう親戚とか、家族だと思いこんでる




違うと説明を試みてもでも




だめなんだ…




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