指から滴る雫のあとは、君の涙
鈴音side


「恋人とかいや?」




胡桃の言ってることがわからなくてつい黙りこんでしまった…




ちょっとは期待していいのかよ?




目の前で飯を食ってる姿が悲しく見える




「鈴音…再会しなければよかったよ」

「なんでだよ…」

「鈴音…私のこと嫌いそうに見える」




くりんとした目が俺を罪深くする




睨んでるのか、泣きそうな目にしたのは俺か…




「お前は…」

「お前は?」

「大切な家族みたいなものだ!」

「それがいやなの、家族?なにそれ!!」

「何に怒ってるんだよ」




胡桃の気持ちがわからない




恋愛経験なんて胡桃にしたことがない




他の奴を好きになれない




「う…ぅひっく…」

「また泣くようなことあるのか?」




これだけはわかる…この涙の原因は理解力がない俺のせい



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