指から滴る雫のあとは、君の涙
「言って?」




埋まる胡桃を俺の方に向かせてから、涙を指ですくった




「幼なじみ、じゃいやなの」

「俺もそうしたい」

「だったら…家族じゃやだ女の子として見てよ!!」




俺もそうしたい、だけど近所がだめなんだ




俺らが恋人になると…胡桃が変な目で見られるから




それにそんな期待ばっか言うなよ




「もういい鈴音寝てよ!!」

「お前が泣いてるから、離れないぞ!!」




震えながら、泣くなら泣き止むまで優しくするよ




「なんでこんな時だけ、優しいの…う、ひっく」




好きな子、苛めるのはよくあることだろ?




でも泣いてる、お前も可愛いと思ってる俺はやっぱりおかしい




「早く出てって!!」




俺が必要ない?




多分、俺がいたらもっと泣くだろう




だから、いたいけど今回は大人しく寝てやるよ




これがいけなかった…




次の朝になって…ようやくわかるなんて




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