指から滴る雫のあとは、君の涙
「なあ?胡桃ってもう彼氏できた?」


「えっ?…なんでそんなこと聞くの?」





怖い顔で迫ってくるから
あとずさりしてしまう




鈴音の手が壁にスッとおかれる



「う…なんでこうなるの?



「胡桃追い込むの好きだから?」




疑問にされても困る
追い込まれるの嫌い




「そういう…鈴音はどうなの、好きな人いるの?」


「いるよ?」




誰?とは聞かなかった
他の名前を聞くのは
自滅だとおもう




「で、胡桃は彼氏とか、好きな人いるわけ?」


「いるよ?好きな人は」

「ふーん」




スッと壁から手が離れ
胸のドキドキも治まった




「鈴音…なんで再会したの」

「偶然じゃなく必然」




鈴音が振り返り、人差し指を私の唇にあてた




「どういうこと?」

「さあ?………な」




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