指から滴る雫のあとは、君の涙
「どうして?」

「可愛い子知らないって聞いたらみんな胡桃っていうから!!」




可愛い…?そんなに?




自分は普通な顔だと今まで思ってきたけど。




可愛いのかな?本当に。




「だから会いたくなった」

「なんで海斗、イケメンなのに私は耳に入らなかったんだろ?」




海斗ほどのイケメンなら、美降が情報入れてくるんだけど。




それがまったくなかった。




「あーそれは、わからないよ」

「そっか」

「俺のこと知っててほしかったな?」




掴んでいた頬をすっとはなした。




「ごめん…」

「許そうかな、どうしよっかな」




腰を屈めて、私を覗く顔は意地悪な顔だった。




「ほっ本当にごめん」

「じゃあ今日、送らせて?」



なんでそうなるの?




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