指から滴る雫のあとは、君の涙
「できたよ?」




今日…俺は腹壊す。




それを覚悟して食べなければ。




「……おいしい?」




少し潤っている目が上目使いで俺を見てる。




あー苛めたくなる顔。




「おいしくないかも?」

「私、一生懸命作ったのに…。」




肩を落とす胡桃。




これ……本気で旨いとは言えない。




ヨーグルトだから、具が冷たいし。




「普通はヨーグルトは入れない」

「ミルクなくって…」

「俺のために頑張ったんだ?そこまで。」

「そうだよ?」




強がってるものの、必死さが見え見えで。




そっと軽くキスをした。




「……え?」

「ご褒美」




次第に赤くなる胡桃に可愛いと思った。




「私も食べて見るね!!」




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