指から滴る雫のあとは、君の涙
胡桃side




洗い物しようとしてるのに、そばに寄ってきた鈴音。




邪魔で洗えない。




「…血出てる」

「……え?…ん」




指を舐められてるだけなのに声が出てきてしまう。




そのことに気づいたのか、さっきより激しくなった。




「…鈴音?」

「洗い物しなくていい」




そんなに心配になったの?




「……うん」

「お前…自分の部屋いってろ」




自分の指を見てみると…ぱっくり大きく開いていた。




さっきまで痛くなかったのに気づいた途端すごく痛い。




早く…自分の部屋戻って、バンソーコー貼ろ。




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