指から滴る雫のあとは、君の涙
気づかれたくない…絶対に。



わざと後ろを向いて、林檎に集中した。




「胡桃…何それ?」

「林檎…」

「何か光ってる」

「黄金林檎って言うんです。」

「二人で選んでくれたの?ありがと」




そんな顔他には見せないで私のためにあってほしい。




二人の話す姿を見ていると自然に…口を尖らしてしまう。



「美織は胡桃のいいとこってなんだと思う?」




今…美織のこと呼び捨てにした?




そんなの初めて聞いた。




鈴音が女の子…呼び捨て。




なんだか胸がムズムズする。



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