少年天使〜エンゼル・フェザー〜

次の日もその次の日も僕は毎朝公園を散歩しました。

2週間それを続けて、それから一真に会えたのは三回でした。

僕は会う度に「おはようございます」と声をかけました。

二回目、三回目は小さな返事で軽くお辞儀をしながら去っていってしまった一真くん。

でも四回目には少し恥ずかしそうに大きな声で返してくれました。


今日は会えるかな?

昨日は少し曇っていたけれど、今日はお散歩日和の良いお天気だよ。



僕は日によって僅かに変わる景色を楽しみながら歩いていきます。

今日はなんだかいつもり人も多い様な気がしました。

ここにいる人達は皆、この気持ち良さを知っているんです。

なんだかちょっとだけ得をしている気分になります。


そうこうして歩いているといつもの坂道に一真くんを見つけました。

一真くんも僕に気付いたみたいで、横を向きました。

「おはようございます」

笑顔でそう言った僕。

初めて一真くんは僕の前で立ち止まりました。




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