少年天使〜エンゼル・フェザー〜

「よっ、ほっ、とぉう!」

そうこうしているうちに大きな白い家に着きました。

「ここが一真くんの家?すごく立派だねぇ」

新しく建てられたわけでもなさそうなのに、外壁は汚れもなく真っ白です。

駐車場には車はなくて、その向かいの庭には色とりどりの花が咲いています。

「わー、お金持ちの家って感じだなぁ……うちとは大違いだ」

二階建の立派な家を見ながら恵ちゃんがそう言いました。

「じゃあ、入ろうか」

「うん、そうしよ」

黒い柵の門をゆっくりと開けて、敷地の中に入ります。

玄関の横のインターホンを押しました。

「あ、インターホンはうちと同じ音だ。なんか面白いね」

ピンポーンというありきたりな音が聞こえてきて、確かに何だか安心してしまった気もします。

たかだかインターホンだけど、自分達と一緒だな。って思えたんでしょうかね。

『はい、どちら様でしょうか?』

しばらくして、インターホン越しに優しい声が聞こえてきました。



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