少年天使〜エンゼル・フェザー〜

そして僕と健太くんは指切りをして約束しました。

それからまた姿を消して僕は健太くんを見守りました。

「健太くん頑張れ。」

放課後になり帰りの会が始まります。

日直さんの1分間スピーチが終わり、何か発表や意見のある人がいないかと聞かれます。

「誰かいませんかー?」

でも、健太くんは手をあげることができません。

じっと僕と指切りした右の小指を見つめています。

「いませんか?いないなら次に進みます。」

その時です。

バッ。と勢い良く健太くんが手をあげました。

「はい、じゃあ佐藤くん。」

「はい、その。提案なんですが……」

頑張れ。頑張れ健太くん。

「これからは皆、下の名前で呼ぶようにしてみてはどうでしょうか?」





< 23 / 129 >

この作品をシェア

pagetop