少年天使〜エンゼル・フェザー〜
そして僕と健太くんは指切りをして約束しました。
それからまた姿を消して僕は健太くんを見守りました。
「健太くん頑張れ。」
放課後になり帰りの会が始まります。
日直さんの1分間スピーチが終わり、何か発表や意見のある人がいないかと聞かれます。
「誰かいませんかー?」
でも、健太くんは手をあげることができません。
じっと僕と指切りした右の小指を見つめています。
「いませんか?いないなら次に進みます。」
その時です。
バッ。と勢い良く健太くんが手をあげました。
「はい、じゃあ佐藤くん。」
「はい、その。提案なんですが……」
頑張れ。頑張れ健太くん。
「これからは皆、下の名前で呼ぶようにしてみてはどうでしょうか?」