少年天使〜エンゼル・フェザー〜

「有坂由美と言う女性のターゲットなんだけど、私と新人の天使とで重複してしまってるみたいなの。どういうことか、調べてみてくれる?」

『かしこまりました。少々お待ちください。』

相手の天使が保留を押したのでしょう。

クラシック音楽みたいな癒される感じの保留音が流れます。

「まったく、こんなの初めて。どうなってるのかしら。」

鏡華さんは相当急いでいるのか、羽を持っていない方の指をトントンとしきりに叩いています。

『お待たせいたしました。重複していた件に関してですが、我々事務室の方では分かりかねますので、神様に直接問い合わせて頂いても宜しいでしょうか。』

「はぁ!?あんたこんだけ待たせておいてそれってないんじゃないの?」

『申し訳ありません。それでは宜しくお願い致します。ツー、ツーツー。』

「もしもし?ちょ、もしもし!?」

鏡華さんはもう!っと言って乱暴に電話を切りました。

ご立腹の様です。





< 42 / 129 >

この作品をシェア

pagetop