少年天使〜エンゼル・フェザー〜


由美さんの家に着いたみたいです。

質素な少し古いアパートの一室。

由美さんはクマのキーホルダーの付いた鍵で、家の中に入っていきます。

「……よし。僕も姿を現して……んん?」

塀の影に隠れていた僕。

いざ姿を現して由美さんの元へ行こうとした時でした。

由美さんの部屋の前に女の子が突然現れたのです。

ピンポーン。

鳴り響くベル。

「こんにちは。有坂由美さんいますかー?」

大きな声。

その主は紛れもなく鏡華さんでした。

「……あの、どちら様かしら?」

由美さんがドアを少しだけ空けて、そう聞きました。

「あなた困ってることがあるんじゃない?私が力になってあげるわ。」

「はぁ。」

鏡華さんは思った通りの強行作戦に出た様です。

由美さんも困り顔。


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