少年天使〜エンゼル・フェザー〜
帰り道、僕はなんとなくいつもとは違う道を帰ろうと思いました。
自販機のある十字路。
いつもなら真っ直ぐ向かうのだけれど、なんだか左の道が気になったのです。
ドカンのある空き地を通り過ぎると、子供達が遊んでいました。
そこに迎えに来るお母さん達。
歩いていくと小さな商店を見つけました。
「へー、こんな所にお店なんてあったんだ。古くて小さな……ああ、そうか。このお店タクちゃんの家みたいに温かいんだ。」
中を見てみようとドアノブに手を掛けた時。
ガラッ。とドアが開いて中から人が凄い勢いで出てきました。
「うわぁ。」
相手の人はよそ見をしていたみたいでぶつかってしまいました。
「ご、ごめんなさい。」
そう言うと、その人はそそくさと逃げる様に去っていきました。
「あいたた。ずいぶん急いでたみたいだな。」
立ち上がってポンポンとお尻を叩きます。
カラカラカラ。
すると目の前には黒いメガネが落ちていました。
「誰のだろう……?」