少年天使〜エンゼル・フェザー〜
僕はそのメガネを拾ってお店の中に入りました。
「いらっしゃい。」
優しそうな声が出迎えてくれました。
奥を見ると、髪の毛をおだんごにしたおばあちゃんが座っていました。
「おばあちゃんこんにちは。」
僕がそう挨拶するとおばあちゃんはとても嬉しそうに笑います。
「はい、こんにちは。ちゃんと挨拶ができて偉い坊やだねぇ。」
そう笑って言いましたが、僕はあることに気付きます。
おばあちゃんはある一点を見つめたままなのです。
「おばあちゃん、もしかして目が悪いの?」
僕は聞きます。
おばあちゃんは少しだけ首を縦にふりました。
「もうあんまり見えなくてねぇ。お店番をするのも今じゃ私だけだから……」
その時僕は部屋の奥から線香の匂いがしていることに気付きました。
立派な仏壇には3人の人の写真がありました。
きっとおばあちゃんのお母さんとお父さんと、そして旦那さんのものだと思いました。
「おばあちゃんお店大変じゃない?」