少年天使〜エンゼル・フェザー〜
おばあちゃんは僕の質問に答えてくれました。
「昔からやっているからねぇ、大変なことももう慣れちゃったのかもしれないねぇ。」
おばあちゃんはうんうんと頷きます。
「目が悪くなってからは仕入れをしてくれるお兄ちゃんに、お店の中を色々と見てもらってるんだけど……」
そこまで言っておばあちゃんは、凄く悲しそうな顔をしました。
「何かあったの?」
「……あんまりこういうことは言いたくないんだけど、商品の数がたまに合わないって言うのよ。」
商品の数が合わない。つまり無くなっているっていうこと?
「もしかして……万引き?」
僕がそう言うとおばあちゃんは首を横に振りました。
「ウチは昔からの顔馴染みさんしか来ないから、そんなことはないの。私が何処かに置いてきちゃったのかもねぇ。」
そう言って笑ったおばあちゃん。
「さっきも女の子が来てくれてたでしょ?あの子もずっとウチを利用してくれている顔馴染みさんなのよ。」
僕は入り口でぶつかってしまった人のことを思い出しました。