少年天使〜エンゼル・フェザー〜

悪いこととは分かっていながら僕は恵ちゃんと礼雄くんの後を追いました。

こんな時に前みたいに姿を消せたら楽なんだけどな。

「な、何よ礼雄?」

2人は階段の踊り場にいました。

礼雄くんが恵ちゃんを壁に押し付けて、怖い顔をしています。

「最近様子おかしいよな、お前」

礼雄くんも恵ちゃんの様子に気付いていたようです。

「まさか……またあんな真似してるんじゃねぇだろうな?」

礼雄くんの言葉を聞いた恵ちゃんの顔が青ざめていきます。

その時、かすかに恵ちゃんの背中に悪意の芽を見たような気がしました。

「し、してないよ。するわけないじゃん、あんなこと二度と……」

ぶるぶると身体を震えさせながら、恵ちゃんは俯いたままにそう言いました。

「…………それで嘘ついたつもりか?」

礼雄くんは恵ちゃんの胸ぐらを掴み顔を上げさせます。

「言えよ。お前今度は……何盗んだ?」









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