少年天使〜エンゼル・フェザー〜
しばらくして戻ってきたおばあさんの手には、埃をかぶった選択剤と石鹸。まだ開けていないタオルがありました。
「古くなってしまって誰も使ってくれないから"また"貰っていってくれないかしら?」
「……えっ、またって」
恵ちゃんの表情で分かりました。
本当は今まで一度も貰ったことなどないことに。
「強がりんぼの恵ちゃん」
おばあさんの優しい声。
「はい」
「今度"また"お店のお掃除を頼んでも良いかしら?私は何もしてあげられないけど、頼めるかしら?」
恵ちゃんは力強く頷きました。
「はい、おばあさんありがとう。また来ます」
「ええ、待ってるわね」