合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです
「僕のでいいんですか?」
前から白石がニタニタ気色悪い笑いを浮かべて聞いてくる。
「あんたのはいつもきちんと書けてるから」
「柏木先輩のお陰です。僕もしごかれましたからね」
主任になった三年ほど前から、あたしは一年に一人の割りで、入社二~三年目の社員の教育係りを申し付かっている。
この白石卓は、去年のあたしのバディ。
「そ、そうなんですか? あぁ、良かった。僕だけかと思ってましたよ、こんなに毎日怒られて……」
「柏木先輩にかかっちゃ、僕らまだひよっこだからな」
「年寄りで悪かったわね。無駄口叩かずに、さっさと済ましてよ! 外行けないじゃない」
あたしは、一刻も早く、ここから逃げ出したいんだからさ。
前から白石がニタニタ気色悪い笑いを浮かべて聞いてくる。
「あんたのはいつもきちんと書けてるから」
「柏木先輩のお陰です。僕もしごかれましたからね」
主任になった三年ほど前から、あたしは一年に一人の割りで、入社二~三年目の社員の教育係りを申し付かっている。
この白石卓は、去年のあたしのバディ。
「そ、そうなんですか? あぁ、良かった。僕だけかと思ってましたよ、こんなに毎日怒られて……」
「柏木先輩にかかっちゃ、僕らまだひよっこだからな」
「年寄りで悪かったわね。無駄口叩かずに、さっさと済ましてよ! 外行けないじゃない」
あたしは、一刻も早く、ここから逃げ出したいんだからさ。