合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです
「裕子さん、ビックニュース!」
雅樹の帰宅と一緒に、我が家に遊びにきた白石が開口一番に叫んだ。
「裕子さんの職場復帰はベビーと一緒ですよ!」
「え? それってどういうこと?」
「社内に託児所が新設されることになったんです。場所は本社ビル最上階の社食フロア。室長は元総務の中重さん。保育担当は元企画室庶務の山口さん。裕子さんもよく知ってるでしょう?」
さらりと語られた内容に腰を抜かしそうになった。
「白石……あんたって……」
「いやぁ、俺も驚いてる。まさか、こんなトントン拍子に事が運ぶとはな。さすが白石というとこだ」
「あ、ハグしてもらえます?」
両手を広げて、白石があたしを招く。
「なに、馬鹿言ってんの?」
「だって、僕、裕子さんのために頑張ったんですよ」
「わかってる。ありがと。ほんと、ありがと……」
あたしは、半ば反泣き状態で、白石をハグしていた。
白石はあたしにハグされるがまま、じっとしていた。
雅樹の手前、抱き返すわけにもいかないもんね。
「や、役得だな、頑張った甲斐がありました……」
自分から言った割りには、固まって動かない白石。
なんだか、可愛い……
「ま、そうだな。それくらいの価値はある」
雅樹が渋い顔であたし達を見つめていた。
そんな記憶も、雅樹の育休のドタバタで吹き飛んだけど……
そして、あたしは、明日、裕樹と共に職場復帰する。
雅樹の帰宅と一緒に、我が家に遊びにきた白石が開口一番に叫んだ。
「裕子さんの職場復帰はベビーと一緒ですよ!」
「え? それってどういうこと?」
「社内に託児所が新設されることになったんです。場所は本社ビル最上階の社食フロア。室長は元総務の中重さん。保育担当は元企画室庶務の山口さん。裕子さんもよく知ってるでしょう?」
さらりと語られた内容に腰を抜かしそうになった。
「白石……あんたって……」
「いやぁ、俺も驚いてる。まさか、こんなトントン拍子に事が運ぶとはな。さすが白石というとこだ」
「あ、ハグしてもらえます?」
両手を広げて、白石があたしを招く。
「なに、馬鹿言ってんの?」
「だって、僕、裕子さんのために頑張ったんですよ」
「わかってる。ありがと。ほんと、ありがと……」
あたしは、半ば反泣き状態で、白石をハグしていた。
白石はあたしにハグされるがまま、じっとしていた。
雅樹の手前、抱き返すわけにもいかないもんね。
「や、役得だな、頑張った甲斐がありました……」
自分から言った割りには、固まって動かない白石。
なんだか、可愛い……
「ま、そうだな。それくらいの価値はある」
雅樹が渋い顔であたし達を見つめていた。
そんな記憶も、雅樹の育休のドタバタで吹き飛んだけど……
そして、あたしは、明日、裕樹と共に職場復帰する。