王様ゲーム
01:FIRST
放課後。
私がいつものように帰る準備をしていると
久々に聞く声がした。
「春〜!」
帰る準備をしている手を止め振り返る。
さっきの声の持ち主は親友の雛だった。
「何~?」
クラスが分かれてからというもの、
話す回数も減っていたため新鮮だった。
「いきなりなんだけど、今度の土日久々に遊ばない?」
受験勉強に終われゆっくり出来ていない毎日。
そして久々の親友からのお誘い。
断る理由を見つけるほうが難しかった。
「あ、行く!二人?」
その発言の後、
雛<スウ>は上を見上げて指で人数を数え始めた。
数え終わって、彼女が口にしたのは四人だった。
幼馴染みの優斗から始まって、元彼の楓真。
どうして楓真なのかというと、彼女が同じクラスで
仲が良いからという理由だった。
そして小学校時代からの付き合いの
ナツと、雛。
前にもこのメンバーで遊んだことがあったため
一気に期待が膨らんだ。
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