路地裏ヒーロー
今日も10分ほど遅れて喫茶店に着いた。そして、いつもの場所に里子がいた。


私たちはその小さな喫茶店の常連で、2人の休みが重なる日には一日中いることだってある。

それはここの店長と仲良くなったからの話で、普通は嫌がられると思う。


そして今日は2人の休みが重なった日だった。



いつものようにドアを引くと、カランカランとドアベルが鳴る。

すぐに一番奥の席にいる里子と目が合った。


手のひらをひらひらと私に振る里子は、なんだかいつもより落ち着いている気がした。

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