金曜日の恋人
ようやく勤務を終えて通用口を出ると


「遅かったね」

「カエデ!?」


待ち伏せ…?


「送るよ。俺 車だから」

「けっこうよっ」

「まだ話し終わってないよ」

「……」


しつこいやつ

誰があんたなんかに…


「言うこときいてくんないと無理矢理にでもさらっちゃおうかな」

「最低…」

「俺だってそんなことしたくない」

「……」


話しをきかない限りずっとつきまとわれる。

明日もあさっても…

放っておいたらみんなに何話されるかわからない。


「わかった。でも私 あんたのこと信じてるから」


予防線を張った。


でも本当に信じたい。


だって こんなやつでも私にとっては初めての男だから…
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