金曜日の恋人
コーヒーの香りが漂ってきた。


「砂糖は入れない。ミルクはたっぷり…だったよね」

「……?」


どうしてそんなこと覚えてるのよ?


一夜を明かして二人で飲んだモーニングコーヒー…


あの時カエデに私が言ったことだ。


少し意外だった。



「で 昼間の話しだけど 答えは決まった?」


きた

金曜日の…ってやつ


「いやって言ったら?」


一応たずねてみる。


「言わさない。てか言えないでしょ?」

「……」


やっぱりこれは天罰なんだとこの時悟った。



すべてはあの日にはじまった。


私は聞いてしまった。


朝倉サンと 部下たちの会話を…
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