金曜日の恋人

｢もし断ったら…？｣

｢だからそんなことできないでしょ｣

｢……｣


もうこの男から逃げられない。


どんな理由があるにせよ自分がしでかした軽はずみな行動。


責任は自分自身で取らなくちゃいけない。


みんなにもそして朝倉ｻﾝにも絶対に知られたくはない。


従うしか…道はない。



｢金曜日だけ恋人になる。でも約束してほしいの｣

｢なに？約束って｣



私は一つのルールを提示した。


カエデはなぜかしばらく考え込んでいたけど…


｢これで成立だね。よろしく｣


条件をのんだ。


こうして私たちのあいだに奇妙な恋人契約が結ばれた。