フェイクハント
三・真犯人
海人や秀樹の休みが合った日の午後、海人、秀樹、涼、典子は、久しぶりに典子の家に集まっていた。
応接間でみんなが揃うと、そこで海人は、相変わらずチェスターは三件の犯行だけは認めていないことをみんなに伝えた。
そして涼と典子も、お通夜の名簿を調べたが、チェスターらしき名前がなかったことを伝えた。
「でも、この名簿の中に犯人がいるかもしれないんだよな」
秀樹はテーブルに置かれた名簿を、憎憎しく見つめ下唇を噛んでいた。
「鑑識でも、お通夜の列席者以外で、怪しい人物が敷地内へ入った形跡はないと云っていたしな。でもチェスターが何らかのトリックを使った可能性もある」
「トリックを使ったとして、進入した痕跡をどうやって消したのかしら。それに河川敷での足跡はどうなったの? 反対側から川を渡ったのかしら」
「いや、そこでも新しい情報は見つかっていないんだ」
海人と涼のやり取りを聞いていた典子が、ぼそっと云った。
「まるで透明人間みたいな犯人ね」
まさにその通りだった。足跡などの痕跡を残さず犯行を重ねるなんて、透明人間の仕業だとも思いたくなるだろう。
応接間でみんなが揃うと、そこで海人は、相変わらずチェスターは三件の犯行だけは認めていないことをみんなに伝えた。
そして涼と典子も、お通夜の名簿を調べたが、チェスターらしき名前がなかったことを伝えた。
「でも、この名簿の中に犯人がいるかもしれないんだよな」
秀樹はテーブルに置かれた名簿を、憎憎しく見つめ下唇を噛んでいた。
「鑑識でも、お通夜の列席者以外で、怪しい人物が敷地内へ入った形跡はないと云っていたしな。でもチェスターが何らかのトリックを使った可能性もある」
「トリックを使ったとして、進入した痕跡をどうやって消したのかしら。それに河川敷での足跡はどうなったの? 反対側から川を渡ったのかしら」
「いや、そこでも新しい情報は見つかっていないんだ」
海人と涼のやり取りを聞いていた典子が、ぼそっと云った。
「まるで透明人間みたいな犯人ね」
まさにその通りだった。足跡などの痕跡を残さず犯行を重ねるなんて、透明人間の仕業だとも思いたくなるだろう。