腐女子とナル男の奮闘記。


「黒須 凌」


雅巳の言葉にみんなが振り向く。


俺も爽真にキレかけていたが、それは後にするつもりで聞いてみる。



「黒須 凌?さっきの女の名前か?」

「あぁそうだ。黒須 凌。通称"お嬢"
男子の中じゃ美人だと評判だが、男子からの告白は全てことごとく断っているらしい。ちなみに超が付くほどの毒舌。
噂によると、告白した男子がフラれたことにキレて、襲おうとしたらしいんだが……ズタボロになって帰ってきたとか。

ほら、分かったなら優貴に弁当返してやれよ。色々分かったんだ。機嫌なおったろ?」

雅巳の言葉に優貴がうんうんっと頷く。


「…決めた」

「は?」


何のことか分からない、といったような表情の3人を見渡して俺は言い放った。





「その"お嬢"を……俺のもんにしてみせる!」


俺の発言に爽真はやれやれと呆れる。
「ふぅ、全く……どうしたらそういう考えになるんだか。予測不能だ、馬鹿の頭は」

いつもはそこでキレる柊だが、もう聞こえてないらしい。



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