腐女子とナル男の奮闘記。
「まぁそうしたいなら俺らは止めないさ。
柊が自分から女の子に向かっていくんなんて、なかなかなくて面白いからね」
雅巳はパソコンをぱたんと閉じ、柔らかく微笑んだ。
「"お嬢"は1-A組。それと注意事項が一つあっ「よっしゃあA組か!俺に落とせない女なんていない。お嬢!待ってろよっ!すぐにお前を手に入れてやる!!」
俺は雅巳の言葉を最後まで聞かず拳を高く突き上げ教室を飛び出した。
「おおぉっと!あっぶね!ってあ?権太じゃん。ってえ?スルーかよ!!」
パンをかじりながら購買から帰ってきた隼人には目もくれず。
「柊は"お嬢"に会いに行ったんだよん……あーっ!!もう中身ほとんどないじゃんかぁぁ!!」
優貴はようやく弁当救出に成功しほっとしたのもつかの間、弁当箱を覗いて叫んだ。
それもそのはず、無惨にも食い荒らされたその中身は、柊の嫌いなブロッコリーやインゲン豆が少し残っていただけだった。
「"お嬢"……?」
「あぁ……だが雅巳。最後に言いかけてた"注意事項"とはなんだ?注意しなければいけないことでもあるのか?」
爽真が少し眉間に皺を寄せる。