腐女子とナル男の奮闘記。
2.女の正体
*--凌side--*
「ん~美味しい~っ♪いつ食べても凌の作った弁当は美味しいっ!」
美貴はうふ~♪と言いながらあたしのお弁当から卵焼きをかっさらってゆく。
「きもい。てか人の弁当多食べんな」
BL小説「秘密の薔薇園」をパラパラとめくりながら美貴の手をパシンと叩く。
「いたっ!だって凌本読んでて弁当食べてないじゃん~!」
「だからってあたしの弁当食べていいことには繋がらない」
大きくため息を一つつくと次のページにむかう為、手を動かした。
──バンッ!!!!!!
ドスドスドスドス……
「おい。お嬢!」
だが次のページを開く前に小説が目の前から消えた。
小説がふっと宙へ浮く。
「…は?」
せっかくいい気分で咲夜様と冬夜様のラブシーンを見ている真っ最中だったのに、一気にぶち壊し。萌え場だったのに。
目の前の奴を睨むと……。
朝あたしに声をかけてきた、イケメン集団の先頭にいた奴。
そして手には愛する「秘密の薔薇園」
「ふざけんな!」と叫ぼうとした時だった。