腐女子とナル男の奮闘記。
「俺は柊 権太。通称"柊"とか"王子"とかだからそう呼んでなっ!つーかもういつでも呼んでくれちゃって構わねぇから!よろしくっ」
柊とやらはキラキラした目でいかにも、お前も自己紹介しろ!って感じの顔をしてくれる。
渋々あたしは口を開いた。
「黒須 凌」
「ってそれだけか!じゃあ俺に一言なんか言ってくれよな!」
つっこみを入れて満面の笑みで要求してくる。
うざい…うざすぎる。
あたしは深呼吸を1つし、一気に喋った。
「あたしあんたみたいな自意識過剰大嫌い。超嫌い。しかもあんたの名前何?権太?ギャグ?はっ、笑わせてくれる。しかも友達でもないのに気安く話しかけないでくれない?」
最後に一言(というより一撃)。
「名前を変えてきたら喋ってやってもいい」
ノックア~ウト!カンカンカン!
あたしのなかでは勝手にゴングが鳴り響いていた。
柊を見ると案の定柊はわなわな震え出し、がくっと膝をついた。
「お、おお俺の気にしてることを……」