腐女子とナル男の奮闘記。
が。違った。
ばっと顔を上げると、陸上部もびっくりのスピードで駆け寄ってきた柊。
そしてがしっと手を掴んできた。
っは?!
「初めて会った日にすぐ俺の事が分かるなんて……やっぱ俺らって運命だろ?!絶対そうだ!俺らは愛し合う運命だったんだな!」
そしてへへっと笑いながら携帯をポケットから出してきた。
「早速アドレス交換しねぇとな!赤外線赤外線……つーか俺って学校1のイケメンじゃん?んでお嬢はまじ美人。まじお似合いすぎだろ!なんで俺って今までお嬢に気づかなかったんだろうな?くーっ!もっと早く出会ってればっ!」
いやもうそのまま気づかなくて良かった。一生あたしに関わることなく死んでってくれれば良かったと心から思う。
というよりこいつ速攻死んでくれていい。つーかちゃっかりカップルへの道のりへ立たされた気がする。"愛し合う"とか言ってんじゃねぇと言ってやりたい。きゅんきゅんも何もならない。鳥肌がぞわぞわ立ちっぱなしだ。