腐女子とナル男の奮闘記。
1.それは突然やってきた
──────────
───────
───……
「「「キャーッッ!!」」」
朝っぱらから響き渡る女子達の叫び声。
その声の大きさに驚いた鳥たちが、バサバサと飛び立ってゆく。
その女子達の中心を突き進み、まるでヒーローのように颯爽と歩いてくる、5人組。
「うひゃあ~☆相変わらずだねぇっ」
その中の一人の男子が回りを見て呟き、前の男子をちょんちょんっとつつく。
「あったりめーじゃん」
その言葉に対し、自信満々に前の男は言い放った。
「何せこの俺が通ってるんだからな」
ふふんと満足気に笑いながら、周りの女子に手を振る。
「きゃぁああ~っ!柊様が手を振ったわっ!!」
男の行動により叫び声は一層増す。バタバタと誰かが倒れる音さえ聞こえてくる。
「そうか、良かったな"権太"」
眼鏡をかちゃっと直し、静かに一言。
「なっ!爽真っ!つーかてめぇ権太って呼ぶんじゃねえ!!」
爽真と呼ばれた男子は、ふんと鼻を鳴らして嘲笑う。
「ごーんたごんた♪あははっ(笑)」
そして爽真の後から顔をひょっこり覗かせ、笑いながら権太を連呼する男子がまた一人。