腐女子とナル男の奮闘記。


あたしの肩を馴れ馴れしく叩いてきたのは、あの5人組の先頭にいた男だ、おそらく。


どうやらあたしはそいつらの通り道を、無自覚のうちに塞いでいたらしい。



「ってゆーか君、俺が通ってんのに小説読んでるなんて……はははっ!そんなに俺が見れなくなるほど、緊張しちゃった?(笑)」


……馬鹿だアホだクズだ。この男根っから腐ってやがる。死んだ方がいい。


まぁ冬夜様が今の台詞を吐いてくれたら問題ない、しかも咲夜様に。
そしたら咲夜様は顔を赤らめながら弱々しく否定するのかな~……ふふふっ。


『そっ、そんなことあるわけないだろっ!』
『嘘を吐くな。素直になれ、咲夜』
『うるさいっ!俺は別に!っっ、離せよっ!!』
『嫌だ、離さない』
『じゃっ、じゃあ……せめて顔近づけんなっ……///』
『ほう……俺にそんな口のききかたをしていいのか……?』


はあぁっ萌ゆる!そのまま!そのまま攻め倒して下さい冬夜様!!
妄想が膨らもうとするなか、目の前に、奴がうつった。


チッ、まだいたのかよ。避けて通ればいいことを。脳みそは空っぽか?



「ねぇ君聞いてる?てか今思ったけど……可愛いな……割と俺の好みだ。良かったら今日の夜、一緒に食事「じゃ。どいてやるんでどうぞ」


とりあえず馬鹿とは会話が成り立ちそうになかったので去ることにした。
せめて日本語を喋れるようになってから話しかけて欲しい。
いや、もう話しかけて欲しくないけれど。


──ガシ。



…………は?




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