腐女子とナル男の奮闘記。
「俺の誘い断るなんて……君、いい度胸だね。威勢のいい女の子、嫌いじゃないよ?」
いえ、あたしは嫌いですあんたが。
この馬鹿アホクズはどこまで馬鹿でアホでクズで死んだ方がいいんだろうか。
「気安く話しかけないで下さい。っつーか触んな」
そう台詞を言い捨てた瞬間、場の空気が凍り付いた。
女達からは一瞬驚きの声があがったが、すぐに殺気混じりの視線を感じる。
「ふざけんな!てめぇの口きけなくしてやろうか?!」って感じの。
これだから女ってのはめんどくさい。
全てこの男のせいだけれど。
一度男を睨み、掴まれた腕を乱暴に振りほどいて校舎に向かった。
ばかばかしすぎる。どいつもこいつも。
笑顔を振りまく5人組も、それに振り回されている周りも。
「ちょ、凌っ!!待ってよっ!!」
美貴が人混みをかき分けて追いかけてきた。