腐女子とナル男の奮闘記。


「凌~!みんなの目線めっちゃくちゃ怖いよ~??てか女の先輩とかもいたしっ!どうすんの絡まれたりしたら~?!(泣)」


半泣き状態でおどおどする美貴。


結構可愛い。あたしはレズじゃないけど。萌え要素含んでる。

これで男の子だったらきっと総受け。いや、やっぱ総受けは平凡の方が好みかも。
そしたらあれかな?受けと見せかけての攻め。それもいいかもし「ねぇ凌ってばぁっ!!」


腐女子ワールドへ片足を踏み込みかけていたあたしを、美貴が引き留めた。



「そんなのほっとけばいいじゃない。あたしは別に絡みたくないし。あんな般若みたいなメイクしてる先輩たちと、仲良くしようという願望はさらさらない」


そう言い放ち、クラスへ向かう。


「そりゃそうだけど!怖いよぉ~!ぜぇったいあの先輩たち来るって~!あたしも絶対絡まれちゃう(泣)」


うっうっ、とついに美貴は泣き出す。


「はぁー……泣かないでよね。そんな気になるんだったらあたしと絡まなきゃいいんだから」

美貴をよしよしと撫でる。


「だっであだじ……凌好ぎだがら、親友なんだがら離れだぐないぼん……」

馬鹿だけど美貴のこういう正直で可愛らしいところ好きだったりする。


「ありがとう。まあなんかあったらあたしに言いなよ」



最後に美貴の頭をぐしゃぐしゃっとすると、教室に入り席に着いた。




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