わたしと保健室と彼~4つのお題+α
2.カーテン越しにささやく声
次は笑顔で来ようと決めたのに。
翌週早速保健室を訪れたあたしの顔色は、真っ青だった。
「――ったぁ…」
痛む下腹部を抱えるように背中を丸めて、その戸を開ける。
「せんせぇ、助けて…」
「す、珠洲白さん!?」
今にも消え入りそうな声のあたしの姿を認めた霧島先生の顔が、驚きに見開かれた。
「どうしたんですか、一体!?」
駆け寄って肩を支えてくれた腕に、ホッとする。
霧島先生の匂いだ。
洗いざらしの白衣から、シャボンの香り。
胸に吸い込むと、一瞬だけ痛みが和らいだけど、またすぐに襲ってきた。
「お腹痛い…」
その腕に身体を預ける。
元々不順な、あたしの月のモノ。
2ヶ月来ないなんて、ザラ。
溜め込んだ分痛みまで増すのか、毎回酷いんだ。生理痛が。