わたしと保健室と彼~4つのお題+α
そっと、先生の腕があたしをベッドに降ろした。
体を気づかってか、とても大切に扱われてるのが分かる。
だって、羽根を抱くように優しい。
これは、霧島先生が保健医だから。
あたしが、今保健室に来た生徒だから。
それだけ、だよ…
苦しくなる胸には気付かないフリをして、毛布を胸まで上げた。
「腹痛に心当たりはありますか?」
心配そうに揺れる先生の瞳。
「えっと、あの…」
生理痛だって、言ってしまえばいいのに。
男の先生にはなかなか言いづらくて、モゴモゴと口の中で呟く。
霧島先生は保健の先生なんだから、言ったところで気にしないと思うのに。
「…分かりません」
――あたしの、バカ。
「分かりました。すぐ病院に行きましょう。今、手配してきます」
「えっ、病院!?」
それはちょっと、マズイんじゃないの?
単なる生理痛だし。
でもそうだよね。
先生は知らないから…
「ちょっと待っていて下さいね」
「霧島先生!」
ベッド脇のカーテンを閉めた先生に、思わず声を掛けた。
「あの、あたし寝てれば大丈夫なんで」